上場を目指す!資本政策の手順。
12月24日のブログで資本政策の必要性について書きました。
さくっと振り返ります。
会社を成長させるにはお金が必要で、お金を集める手段の一つが株式発行です。
ただし、無計画に株を発行してしまうと、お金は集まったは良いが結果として創業者の持株割合が薄まり、
創業者が経営に参画できないという本末転倒な結果となってしまうこともあります。
こういった事態を防ぐために、「資本政策」というものが必要だというお話でした。
今回はその「資本政策」の中身や進め方についてまとめてみたいと思います。
資本政策とは
まずは資本政策とは何なのかについて。
資本政策とはざっくりと一言で言うと、
「誰に、いつ、どれだけ(いくら?いくつ?)株を持ってもらうか、戦略や計画を立てること」
とまとめることができます。
そういう戦略や計画を立てて何を達成したいか。
ポイントは下記の3つです。
・資金の獲得
・経営権の確保
・経済的利益
それぞれ見ていきましょう。
資金の獲得
株式発行の目的は“資金調達”です。
よって、必要なタイミングで必要な資金を得ること、これが最も大事なポイントとなります。
経営権の確保
第三者に株式を発行すると「ダイリュージョン」が起こって既存株主の持株比率が低くなります。
会社での発言権は持株比率によって決まるため、持株比率が低くなると経営権が維持できなくなる可能性があります。
創業メンバーの経営権を維持できるよう持株比率を調整することも、資本政策を考えるに当たって非常に大事です。
経済的利益
上場を目指すなら、株価上昇による利益を狙うのは当然です。
会社に貢献した人がちゃんとその対価を得れるよう、しっかりと設計する必要があります。
また、会社の成長の過程で持株比率の調整や資金需要を目的に、経営者自身が追加出資を行う場合がありますが、
このときに株価があまりにも上がっていたら、出資した金額の割に持株比率はほとんど変わらないということにもなり得るため、
そんなことも織り込んで計画を立てたいですね。
資本政策の留意点
資本政策を考えるにあたっては、「資本政策表」というものを使うのが一般的です。
資本政策表は、資本政策の戦略や計画を表にしたもののことです 。
この表に、どのタイミングで会社の価値がどれだけになって、その時にどれだけ株式やストックオプションを発行して、株主構成はどうなっているかを落とし込んでいきます。
事業計画は必須
資本政策表を作ればいいのね、なるほどなるほど、じゃあ早速作り始めよう
てなるかと言うとそうではありません。
資本政策を考える前提として、「事業計画」を立てている必要があります。
理論的な株価は、会社の価値(正確には株主価値)を株式数で割った金額です。
よって、株式をいくらで発行するかを考えるためには、“将来の会社の価値”が必要です。
事業計画で将来の利益やキャッシュフローの計画を立てることで、将来の会社の価値が算定できるようになります。
この結果 、資本政策を作成することができるわけです。
上場の意味
これまで上場がゴールかのような記事を書いてきましたが、
実は上場というのは資金調達の一つの手段です。
もちろんひとつの目標、区切りのひとつとして上場があるのは間違いないですが、
会社がなが~く生きていく中で、上場はどういう意味を持つのか、その位置づけを考えていく必要があります。
それも資本政策の大事な役割です。
株価を上げよう
資本政策表を作っていくとわかりますが、
創業間もないときに株式を発行しても、どうしても創業メンバーの持株比率は薄まります。
そしてこれは事後的には取り返すことがなかなか困難です。
なので、まずは株価(株主価値)を上げることに全力を尽くす必要があります。
シンプルに、利益を出そうということです。
投資をしてくれる人が出てくると喜んでほいほいと乗っかってしまいそうですが、
それよりもまず如何に利益を出すか、儲けるかを優先に考えていく必要があります。
当たり前と言えば当たり前なんですけどね。
これに気づかせてくれるのも資本政策の大事なところですね。
まとめ
資本政策のポイント、ご理解いただけたでしょうか?
資本政策の間違いは 、初期の間違いほど 、あとになってからの修正がきかないと言われます。
計画は計画なので、100%思い通りにいくことなんて100%ありません。
それでも、
・知らぬ間に思わぬ方向に進んでいた
・取り返しのつかない致命的なミスを犯してしまった
こんな状態にならないよう事前にシミュレーションしておくことはすごく重要です。
ただ、いきなり一人で作れって言われても難しいと思います。
近くの専門家に相談してみましょう。
もちろんKUMA Partners.,Ltd.でもサポートさせていただきますよ。
最後までお読みいただきありがとうございました。
良いお年をお迎えください。