【多数派同調バイアス】みんなで渡れば怖くない

コラム

最近、独立してからの様子を人から尋ねられて話をする機会が何度かありました。

その時にふと思ったのが、自分の周りにどんな人がいるのかによって自分の考え方は変わっているのだろうなということでした。

大きな組織にいるときにはその組織の中にいる人と接する機会が多いですが、

独立してからは自分とは全く違う環境で生きてきた人たちと接する機会が増えます。

その人たちの考え方に触れたことによって、どっちがいいとかではなく会社にいたときの自分とは、

考え方が全く変わっているのだろうなと思いました。

これをうまく表すものがないかと思っているときに見つけたのが多数派同調バイアスです。

多数派同調バイアスとは?

多数派同調バイアスはおなじみ心理学の用語で、自分自身の考えとは違っていたとしても多数派の考え方に

合わせようとする心理学的な傾向のことを言います。

集団の中で自分一人だけ言っていることが違う、、、そんなときに自分を貫き通せる人がどれくらいいるでしょうか。

多くの人は自分が間違っているのではないかと不安に思って周りの人たちと同じ意見に変えてしまうのではないでしょうか。

これは、自らの周りの大多数の人に協調的な行動をすることで、「集団の一員である」という安心感を得ようとするため起こる心理現象です。

多数派同調バイアスのメリット・デメリット

多数派同調バイアスのよい側面としては、集団での意思決定がスムーズに行えるということです。

集団の中でその構成員が全員ばらばらのことを言っていてはまとまるものもまとまりません。

多数派同調バイアスが働くことで集団の意見が徐々に1つに集約していくというメリットがあります。

しかし、災害などの緊急事態の際に悪い方向に働いてしまうと大きな被害を生むことにもつながります。

実際このバイアスが大きな犠牲を生んだのではないかという事例に韓国での地下鉄放火事件があります。

地下鉄の車内で放火があったため、火元となった車両以外の車両にも白い煙が広がっていたそうです。

ただ、煙が充満しながらも多くの人が座ったままの状態で過ごしていました。

これは予想もしない非常事態に陥ると、どのような行動をとって良いかわからず、

互いにどう動くのかけん制し合って、結果として誰も動かないという行動をとってしまったものと考えられます。

このように、緊急時で皆が冷静な判断ができないときに多数派同調バイアスが働いてしまうと、多くの犠牲者を生んでしまうことにもなります。

例えば人が多くいる場所(会社やショッピングモールなど)で火災報知機が鳴った場合に、皆さんどうするでしょうか?

僕は自分がその場面に遭遇したとすれば周りの人の様子を観察するのではないかと思います。

周りの人が様子を伺っているのであれば自分もしばらく様子を見て避難まではしないのではないかと、、、

つまり多数派同調バイアスに完全にとらわれている状況です。

意識をしていないだけでそういう場面って多いのではないかと思います。

まとめ

多数派同調バイアスの内容を見ると、ぱっと見では人に流されているようにも見えます(本来の意味はそうなのかもしれません、、、)が、

僕はこれを見たときに冒頭で書いたように周りにいる人によって自分をいいようにも変えていけるということに感じました。

何か目標に向かって最大限努力している人が周りにたくさんいれば自分も努力しないといけないという気持ちになり、

周りが現状に満足していて、さぼりがちな雰囲気の人ばかりであれば自分も楽な方に流されるのではないかと思います。

よほど強い意志を持った人でなければ周りに関係なく自分のやりたいことを貫ける人はいません。

自分が何かをやりたいのであれば、変わりたいのであれば、自分が思い描くことを既にやっている人たちの中に

飛び込んでみるのがいいのではないでしょうか。

これは会社の組織づくりにも有効な方法ではないかと思いますので、ぜひご活用ください。

最後までお読みいただきありがとうございました。