VRIO分析 ~経営資源の競争優位性~

コラム

梅雨がなかなか明けないなと思っていたら7月も終わり8月になってしまいました。

KUMA Partnersもこの7月から新しい事業年度を迎え、2年目になるこの一年をどう過ごすのかを

考えていたところでやってみたのがこのVRIO分析です。

会社の方針にお悩みの経営者の方など一度ご自身の会社の今後を考えるためにやってみてはいかがでしょうか。

VRIO分析とは

VRIO分析は会社の経営資源を分析して、自社の持っている経営資源の競争優位性を見つけて、

会社の強みと弱みを再認識することで会社の競争優位性の維持や市場の拡大、イノベーションを図ることができるフレームワークのことです。

結構難しいですが、会社の経営にとって大切なことなのでトライしていただければと思います。

VRIO分析はアメリカの経営学者であるジェイ・B・バーニーが提唱したと言われています。

バーニーは会社の経営資源を経済価値(Value)希少性(Rarity)模倣困難性(Imitability)組織(Organization)の4つに分けて分析しました。

4つに分けた項目についてその順番通りに評価していきます。

経済価値(Value)

経済価値(Value)は、自分の会社の経営資源に経済的価値があるのかどうか、社会的価値があるかどうかといった観点で評価します。

VRIO分析において、なぜ経済価値を最初に評価するのかというと、言い方はきつくなりますが、そもそも論として会社の保有する経営資源に価値がなければなんの意味もないからです。

経営資源が顧客に対して、あるいは社会に対して価値があるかを明確に評価して、経営戦略に組み込む価値があるかどうかを最初に評価していきます。

経済価値があるかどうかの判断は、その保有する経営資源があることで機会や脅威に適応できるようになるのかという視点が大切です。

希少性(Rarity)

希少性(Rarity)は、経営資源にどれくらい希少性があるかを評価していきます。

経営資源の希少性が低ければ厳しい市場で勝つことができませんし、顧客からの支持を得ることもできません。

従って経営資源の希少性は会社が市場で勝ち続けるためにも重要な評価指標です。

どのくらい多くの競合が同じ経営資源を持っているのかという視点で考えます。

模倣困難性(Imitability)

模倣困難性(Imitability)は、自分の会社の経営資源が他社にまねされやすいか・まねされにくいかといった観点で評価します。

経営資源がまねされやすいと市場で勝つことが難しくなるため、経営資源がどれだけまねされにくいかはとても重要なポイントとなります。

まねされにくいことで市場での優位性を保つことができるので、経営資源が模倣困難であればあるほど、

市場では長い期間高いシェアを維持することができると考えられます。

組織(Organization)

組織(Organization)は、VRIO分析の評価の中で最後に行うものです。

なぜ組織についての評価を4つの分析の中で最後に行うのかというと、それは経営資源の経済価値・希少性・模倣困難性が明らかになることで、やっと経営資源を活かす組織体制を構築することができるからです。

逆に言えばその3つが明らかにならない状態で組織を構築しようとしても弱い組織になってしまうだけです。

まとめ

ここまでのところいざやってみるとなかなか難しいと思います。(VRIO分析のデメリットとして分析に時間がかかるということがあげられるくらいなので、、、)

そこで参考までに世界中で展開している有名なユニクロを例にVRIO分析を簡単に見ていきたいと思います。

ユニクロの経済価値は、「価格が安いが品質が高くデザインも洗練されていること」ですので、非常に強力であることがわかるかと思います。

みんな安くていいものが欲しいと考えるので。

次に希少性についてあげられるのは、ユニクロは製品の企画から製造・販売までの機能を網羅した製造小売業としてのモデルを構築していることです。

模倣困難性は経済価値にもある「高品質だが安いカジュアルウェア」を提供するために製造小売業としてのモデルを構築していることで、簡単にはまねしようとしてもできません。

新規参入する会社がユニクロのような展開をしろと言われても難しいと思います。

最後に、組織は高品質で安いカジュアルウェアを提供するための社員教育が徹底されていることです。

会社のビジョンを組織の隅々にまで浸透させて、全員で同じ方向に向かっている組織は強いです。

皆様の会社で実施する際にはまず、自分の会社の経営資源の経済価値って何だろうか?というところから始めていただければと思います。

最後までお読みいただきありがとうございました。