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『労働者協同組合』とは? 新しい組織の運営法やメリットについて解説!

労働者協同組合法が2020年12月に制定し、2022年10月1日から施行されます。
この法律は、働く人が自ら出資して運営に携わる『協同労働』という働き方を実現するもので、施行によってさまざまな事業が『労働者協同組合(以下、協同組合)』という新たな形態で行えるようになります。
今回は、株式会社やNPO法人などとも異なる協同組合と呼ばれる新しい組織の形態と、労働者協同組合法について説明します。

非営利法人の協同組合は簡単に設立できる

株式会社は株主から資金を募って組織を運営するため、経営の意思決定においては株主の意向を無視することはできません。
一方、協同組合は働く人が組合員となって資金を出し合い、組合員全員が運営に携わり、経営方針を決めることができます。

また、協同組合は株式会社のように事業で得た利益を株主に分配することがありません。
株式会社や合同会社は、事業の拡大や利益を得ることを目的とした『営利法人』ですが、協同組合は、事業による“地域の課題解決・復興”や“働きがいのある仕事の創造”を目的とした『非営利法人』です。

これまでも社団法人やNPO法人など、同様の目的を持つ非営利法人はありましたが、NPO法人は出資が禁止されていたため、組織を運営するための資金を会費や寄付などに頼るしかないのが現状です。

しかし、20年ほど前から必要性を論じられていた、労働者協同組合法が成立したことで、これまでの非営利法人の欠点をカバーする協同組合を設立できることになりました。

また、NPO法人の場合は設立までに計4カ月ほど(申請受理日から認証まで3カ月以内、認証決定通知受領後、1カ月以内で法人設立登記完了)の時間がかかりましたが、協同組合は3人以上の発起人がいれば、官庁の認可を受けることなく、法務局への必要書類の届け出のみ設立できます

しかも、協同組合はNPO法人とは違い、活動できる分野が幅広いという特徴があります。
NPO法人が行う特定非営利活動は、特定非営利活動促進法により20種類の分野に規定されています。
一方、労働者協同組合法では、株式会社が行っているような事業も、非営利であれば協同組合として行うことができると定めており、これまで以上の多様な就労の機会の創出や、地域の需要に応じた事業の実施が期待されています。

2022年10月の労働者協同組合法の施行後は、株式会社ではなく協同組合を起業する人も増えてくると思われます。
新しく起業を考えている人にとっては、まさしく選択肢が増える形になるというわけです。

たとえば営利を目的とせず、『事業によって地域社会に貢献したい』『活力のある地域社会を実現したい』と考えている人には、株式会社や合同会社ではなく、協同組合が向いているかもしれません。

もちろん、非営利法人でも、事業で利益を得ることは可能で、その利益は株式会社のように株主に分配するのではなく、目的を達成するための資金として使うことができます。
目的を達成するための資金を得ることは認められていますし、組合員の給与もその経費に含むことができます。

また、協同組合の組合員が労働者として保護の対象となるように、労働者協同組合法の第20条では、協同組合と組合員の間で、労働契約を締結するように定めています。

組合員は労働者として、労働基準法や労働組合法、労働関係調整法などが適用されるのはもちろん、健康保険や雇用保険などの社会保険にも加入することになります。
保護の範囲は一般的な会社の従業員と変わりません。

つまり、組合員は組織の運営にも関わりながら、労働者としての保護も受けることになります。
ただし、組合を設立するのに必要な、専任の理事と監事は除外されるので注意が必要です。

組合員が出資し、それぞれの意見を反映して組合の運営が行われ、組合員自らが事業に従事することを“基本原理”とする協同組合は、これまでの利益を優先した組織の働き方に疑問を提示する契機にもなりそうです。
今後、起業を予定している方は、協同組合も視野に入れつつ、それぞれのメリット・デメリットをよく考えたうえで運営方法を選びましょう。

※本記事の記載内容は、2021年12月現在の法令・情報等に基づいています。

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