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ユニークなアイデアが続々! 自動販売機のビジネス戦略

『自動販売機大国』と呼ばれることもある日本は、人口比では世界一の自動販売機(以下、自販機)普及率だといわれています。
日本の自販機の台数は、2010年以降の約10年間で約116万台も減少したものの、現在でも全国で約400万台が稼働しており、一部の業種では、新しい販売経路の開拓やプロモーションの一環として活用するケースも増えてきました。
近年では清涼飲料水以外にも、ラーメンやカレー、ケーキやチョコ、香水や花まで、さまざまな商品の自販機があります。
今回は、新たなビジネスチャンスをもたらす自販機の可能性について解説します。

冷凍食品対応の自販機に革命が起きる

24時間いつでも商品を買える自販機は、1800年代後半にイギリスで実用化されました。
日本では、1960年代にアメリカの清涼飲料水メーカーが日本での販売を開始したのをきっかけに、全国に急速に普及していきました。

5兆円を超えるといわれる自販機市場ですが、これまでは飲料水やタバコの自販機が中心でした。
しかし、近年は冷凍技術の発達や、コロナ禍における非接触へのニーズなどを背景に、ラーメン、寿司、カレーをはじめ、クレープやロールケーキなどのデザートまで、さまざまな食品を扱う自販機が登場しています。
また、飲食物以外にも、医薬品や生花、スキンケアグッズや時計などの自販機もあります。

ラーメンや寿司など、食品系の自販機急増のきっかけをつくったのは、2021年1月に登場した、サンデン・リテールシステムの冷凍食品対応自販機(以下、冷凍自販機)『ど冷えもん』だといわれています。
アイスクリームが主流だった従来の冷凍自販機とは異なり、『ど冷えもん』はさまざまな大きさの商品に対応可能で、それまでは難しかった大型の冷凍食品も扱えるようになりました。
また、清涼飲料水の自販機のようにメーカー側がラインナップを決めるのではなく、自販機の所有者が商品を自由に決めることができ、飲食店を中心に、導入者の『おもしろい、新しい』という感想が広がっています。

たとえば、兵庫県姫路市の焼き肉店『特選肉 徳侍郎』では、『ど冷えもん』で黒毛和牛やホルモンを販売し、ネットメディアなどに取り上げられました。
新宿区のラーメン店『大平軒』も、『ど冷えもん』による冷凍ラーメンの販売が話題になっています。
また、牛丼の『松屋』や長崎ちゃんぽんの『リンガーハット』、ラーメン・定食チェーンの『福しん』などの大手チェーンでの導入も進んでいます。

『ど冷えもん』以外には、2022年2月には、大手総合電機メーカーの富士電機が大容量の冷凍自販機『FROZEN STATION』の販売を開始しました。
新たな市場を拓いたともいえる冷凍食品対応自販機は、今後ますます普及していくことが予想されます。
人件費が不要で、初期費用もそれほどかからないとなれば、コロナ禍で客足が減ってしまった飲食店にとって、導入を検討する余地は十分ありそうです。

先進技術と自販機の組み合わせによって可能性を広げる

これまでになかった冷凍自販機や、ユニークな商品を販売する自販機は、店舗前や街中、駅構内や公共施設などに設置されることも多く、その珍しさからSNS等で話題になったり、新聞やテレビ、ネットメディアなどで取り上げられることも増えています。
このような新しいタイプの自販機は、新しい販売経路が確保できるうえ、プロモーション効果も高く、コストパフォーマンスのよい宣伝手法として期待されています。

そのなかで、これらの自販機にAIやIoT技術を組み合わせて、新しいアプローチを行う企業も出てきました
たとえば、化粧品関連のマーケティングを手掛けるPRENOは、化粧品のKATE(ケイト)の自販機を渋谷に期間限定で設置しました。
自販機にはAIカメラが内蔵されており、自販機に興味を示した人の数や年齢、性別などのデータを収集することができます。

沖縄では、認知症高齢者の迷子を防止する見守りシステム『ミマモライド』プロジェクトがスタートしました。
センサーを内蔵した自販機の前を発信器をつけた人が通ると、保護者にLINEでアラート(通知)が届く仕組みです。
事前に通常の行動範囲をAIが学習することで、通常の行動ではない道迷いをすばやく把握し、捜索につなげることができます。

このように自販機を起点とした、さまざまな試みが生まれています。
自社であればどのような形で自販機を活用できるのか、マーケティング的な視点で考えてみてはいかがでしょうか。

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