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他社と差別化を図るための『ポジショニング戦略』を考える

自社の商品やサービスを売り出そうとするときには、市場をよく分析したうえで、競合する他社と差別化を図ることが重要です。
マーケティング分野に強い企業では、そのための施策として、『ポジショニング戦略』という販売戦略を採用しています。
ポジショニング戦略とは、市場のなかで自社の位置(ポジション)を明確化することです。
競合他社と比較した際に、消費者の記憶に残る存在でいるための位置を確立する、ポジショニング戦略について、その効果や手順などを説明します。

ポジショニングの前に『STP分析』を理解

ポジショニング戦略はマーケティングの基本となる考え方で、特に新しい市場に参入する場合においては、ポジショニング戦略を立てているか否かでプロジェクトの成否が決まるといわれるぐらい効果のあるマーケティング手法です。

アメリカの経済学者であり、マーケティングの第一人者でもあるフィリップ・コトラーが1970年代に『セグメンテーション(Segmentation)』『ターゲティング(Targeting)』『ポジショニング(Positioning)』といったマーケティングの分析手法を提唱しました。
これらの頭文字をとった分析方法を、マーケティング用語で『STP分析』といい、STP分析の項目の一つであるポジショニング戦略は、競合他社と差別化した戦略を策定する目的で使用されています。
ポジショニング戦略を活用するには、まずこのSTP分析について理解を深めておく必要があります。

STP分析ではまず、市場と自社商品の関係性を段階的に分析していきます。
最初のセグメンテーションとは、市場を顧客や需要などの共通項に基づいて細分化することで、日本語では『市場区分』や『市場細分化』と訳されます。
次のターゲティングは『市場の決定』を意味し、ポジショニングは他社との違いを明確にして訴求する、いわゆる『立ち位置の明確化』を意味します。

つまりSTP分析とは、市場を細分化したうえでそれぞれの全体像を把握し、そのなかから自社が参入するべき市場を選び、競合他社との位置関係を明確にするプロセスを表しているのです。
そして、ポジショニング戦略では、そのSTP分析によって導き出された市場において、自社の商品やサービスの優位性を確立することを目指します。
消費者や顧客の意識のなかに、他社にはないユニークかつ購買意欲をそそる自社の魅力を植え付けることで、他社企業との差別化戦略につなげるというわけです。

ポジショニングマップで狙う市場を可視化

STP分析によってすでに狙うべき市場が決まっているのであれば、具体的なポジショニング戦略を進めていくことが可能です。
その際に有効なのが、『ポジショニングマップ』の作成です。

ポジショニングマップとは、市場のなかで自社がどの位置(ポジション)を狙うべきなのかを検討するために、視覚的に市場のポジションを把握するための図のことです。
競合他社との差別化を図るために必要な要素や、競合他社が手をつけていない、いわゆるブルーオーシャン的なポジションが視覚的に理解できるため、ポジショニング戦略を策定するためには、必ず作成しておきましょう。

マップ自体の作成は非常に簡単で、まず参入を考えている市場において比較をする重要な要素を抜き出し、縦軸と横軸に設定します。
たとえば、家具の場合は、縦軸の上下に『高価』『安価』、横軸の左右に『実用性』『嗜好性』と設定したうえで、競合他社の同ジャンルの家具をマップに配置していきます。
実用性があって高価なものはマップの左上、嗜好性があって安価なものは右下といったように、さまざまな競合他社の家具をマップ上に記していくと、市場における『分布』が見えてきます。
この分布のなかから、既存の商品が密集しているところや、逆に密度が薄いところなど、『偏り』を見出し、自社が狙うべき位置や市場の特徴を探るのがポジショニングマップを作成する目的です。

商品の分布の密度が薄いポジションは、他社が収益化を諦めた場所ともいえるので、独自性を出していけば、勝負できるかもしれません。
ポジショニングマップを作成し、自社の狙える場所を見定めていきましょう。

そして、狙うべき位置を決めたら、自社の強みが発揮できるような具体的な施策に落とし込んでいきます。
ポジショニング戦略を行っても成果が出ない場合は、そもそもポジショニングを間違えている可能性があります。
そういったときに、ポジショニングを修正するのも一つの手法であり、これを『リポジショニング』と呼びます。最初に選んだポジショニングに固執するのではなく、リポジショニングも視野に入れながら対策を検討し、すすめていくことが大切です。

ポジショニング戦略は、市場における自社製品の優位性を確立していくことです。
独自のアピールポイントをみつけたり、競合の少ない市場を狙ったりすることで新規顧客の獲得や売上アップにつながります。
そのためにもまずはポジショニングマップを作成したうえで、自社の狙うべきポジションをみつけ、他社との差別化をはかっていきましょう。

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