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新規参入する際の『参入障壁』をチェックする

『参入障壁』とは、ある事業を立ち上げようとしている会社が、その業界に参入することを阻む障害のことです。
参入障壁が高い業界ほど後発の企業が不利になりやすく、既存企業にとって新規参入が脅威になりにくいともいえます。
一方、参入障壁の低い業界では、スタートアップやベンチャー企業が集まりやすく、近年ではIT業界などがそれに当たります。
今回は、新しい市場への参加を難しくする要因、参入障壁について、説明します。

新規参入を拒むいくつかの要因

2022年2月、作業服専門店大手のワークマンがキャンプ用品市場に新規参入したことがニュースになりました。
近年のキャンプブームを受けた今回の新規参入では、ワークウェアで培った加工技術とこれまでの経験値を活かした展開を目指しています。

一般的に参入障壁となるものは、既存の企業が備えている優位性と、法規制をクリアする難しさの2つがあげられます

たとえば、『規模の優位性』というものがあり、多くのシェアを獲得している既存の企業は、大規模に生産することができるので、生産コストを下げることができ、商品の価格競争力が高くなります。
一方、新規参入企業はシェアが少ないために生産単価が上がってしまい、既存企業の価格競争力に劣ってしまうのです。

さらに、新規参入をした場合は、既存企業との差別化についても考えなければいけません。
既存の商品と同じような商品であれば、知名度や規模で優位に立つ既存企業に勝つことはできません。

このほか、『スイッチング・コスト』といって、顧客がすでに他企業の製品を愛用している場合、新規参入企業は、自社製品に乗り換えてもらうための物理的・心理的コストも払うことになります
また、流通に関しても、すでに既存企業が販売店の棚などの販路を押さえてしまっている場合は、新たに開拓をしなければならず、そのための投資も必要です。

そして、商品を開発するうえで、既存企業に必要な特許等を押さえられている場合には、さらに参入障壁は高くなります。
原則として、特許は発明者が実施を独占できるので、使用したい場合は許諾を得て、使用料を支払うことになります。
したがって、新規参入を行う場合は、特許使用料を支払っても既存企業より優位に立てるプランを考案する必要があります。

新規参入を考えている企業にとって、参入障壁の高さは参入を阻む要因になります。
しかし、既存の企業にとっては、優位性を保つものになります。
他社の市場参入は、市場全体の収益率が下がる行為でもあるため、多くの既存企業は新規参入を歓迎しないのです。

新規参入がしやすい業界と難しい業界

『成熟産業』や『成熟市場』においては、すでに既存企業が多くのシェアを占めており、参入障壁も高くなっている可能性があります。
一方で、これから拡大が予想される『成長市場』や『未開拓市場』では、まだまだ新規参入の余地があることも多いでしょう。

一般的に参入障壁が低いといわれている例として、IT業界や、アパレル業界があります。

市場自体が拡大傾向にあるIT業界は、初期投資が比較的低コストで、流通チャネルもそれほど考慮する必要がありません。
スタートアップ企業やベンチャー企業などの競合は多いですが、アイデア次第では他社を追い抜く可能性も秘めています。
同様にWeb業界も、参入障壁はそれほど高くないようです。

また、アパレル業界も、設備投資にコストがかからないため、比較的参入障壁が低い市場といわれています。
自社で工場を持たない企業も多く、ODMメーカーを活用すれば、これまでアパレルに関わってこなかった企業もオリジナルブランドを販売することが可能です。

逆に、電気・ガス・水道・通信・放送などは、法規制によって企業の寡占化が進んでおり、新規参入の難易度は高めです。
電気、ガスは小売業への参入が全面自由化されましたが、ガスに関しては保安管理や整備などの面から新規参入が進んでいないのが現状です。

また、医療業界や士業も専門的な知識が必要なうえに、資格取得の難易度から参入障壁の高い業界とされています。
そのほか、公共工事の入札に施工実績が必要になる建設業界、一部企業が圧倒的シェアを誇る自動車製造業界や鉄道業界、莫大な初期投資が必要になる鉄鋼業界なども、参入障壁の高い業界といえるでしょう。

もし、新規参入を考えるのであれば、市場調査のほかに、参入障壁についても検討したうえで、決めることが大切です。

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