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原価の種類を知りましょう!!

前回のブログで管理会計ってどういうものだろうかということを書きました。

管理会計って何だろう

会社を管理していく中で、特に製造業の場合には最も重要になってくるのが原価計算です。

会社規模の大小を問わず、強い経営基盤を実現している会社というものは必ずと言ってよいほど原価計算(原価管理)を徹底しています。

今日は管理会計の中でも特に大切な要素である原価について見ていきたいと思います。

原価とは?

会社が提供する様々な商品やサービスにはどんなものにも原価があります。

原価計算基準では「原価とは、経営における一定の給付に係わらせて把握された財貨又は用役の消費を貨幣価値的に表わしたものである。」と定義されています。

基準の文言は漏れなく分かりにくいように書いてありますので、これを分かりやすく言えば「商品を作って販売したり、サービスを提供するためにかかった費用」を原価と呼ぶということです。

たとえばお弁当屋さんがお弁当を作るためには「お米、おかず、容器、箸、その他調味料」が必要です。これらを作るために必要な材料がお弁当の基本となる材料費になります。

次にお米を炊いたりおかずを作ったりするために炊飯器やコンロ、鍋やフライパンといった調理器具が必要ですし、ガスや電力も必要になります。これらが設備費になります。

さらにお弁当を作るためには人が手をかける必要があるので、そこには人件費がかかります。

さらに完成したお弁当を販売してもらうために、コンビニやスーパーに輸送するための諸経費がかかります。

つまり、お弁当1つ作るためには材料費、設備費、人件費、諸経費という様々な費用が必要ということです。

これをまとめたものを一般的に原価と呼びます。

原価の分解

会社が事業を行う上で係る様々な費用をひとまとめに原価とくくりましたが、その原価の中でも大きく性質が2つに分けられます。

正しい意思決定をするという管理会計の目的に照らすと、ただ単に発生した費用をまとめて管理するだけでは十分ではなく、原価をその発生性質別に分けることが重要になります。

よく行われる原価を発生性質別に分ける方法としては固変分解というものがあります。

変動費

変動費は、生産量や販売量に比例して発生・変化する費用のことです。

したがって、変動費は生産や販売がなければ、発生しない費用です。

代表的な変動費として、材料費、運送費などが挙げられます。一般的にメーカーに比べ、小売業の方が変動費の割合が大きくなります。

固定費

固定費は、会社の売上高の変化とは関係なく発生する、変化しない費用のことです。

したがって、固定費は生産や販売がゼロでも発生する費用です。

代表的な固定費にはリース料、従業員の人件費、設備の減価償却費が挙げられます。一般的に小売業に比べメーカーでは固定費が大きくなります。

 

先ほどのお弁当屋さんを例にして考えてみましょう。

お弁当屋さんは毎日100個のお弁当を作っているとします。しかし、今日だけは101個作らなければならなくなったとします。

その場合にお弁当を一つ多く作ると新たに発生するものが変動費で、1個増やしたくらいでは変動しないものが固定費です。

つまり、お米や箸、容器などの材料費に関しては、新たに作る1つ分だけいつもより多く費用が発生するため、変動費と言えます。しかし、鍋やフライパンに関しては、作るお弁当が一つ増えたところで新しく用意する必要があるわけではないため、固定費と言えます。

まとめ

原価の固変分解は結構難しいです。

単純に勘定科目で分けることができれば簡単なのですが、同じ勘定科目で処理をしていても性質が違うものが混ざっていたり、また、準固定費と言われる、短期視点で見ると固定費になるが、長期視点で売上拡大がしていくと増加するようなコストがある場合には固変分解はより難しくなります。

まずは費用(原価)の発生要因を正しく見極めることが生産計画や販売計画等の経営戦略の根幹にかかわる意思決定を支えることとなるので、大切なことだと思います。

最後までお読みいただきありがとうございました。

 

 

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