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実際原価計算って何??

前回のブログで実際原価計算には個別原価計算総合原価計算があって、その中でもさらに様々な方法に計算方法が分かれていますよというお話をしました。

原価計算の分類について

今日はその個別原価計算と総合原価計算についてどういったものなのかを見ていきます。自分の会社に合うのはどの計算方法かなと思いながら読んでいただければなと思います!

個別原価計算

個別原価計算は、お客さんからの注文に応じて製品を製造する場合に適した原価計算です。

イメージとしては、同じ種類の車を大量に製造するのではなく、特注されたスーパーカーを注文者独自の要望に応えながら製造する場合に適した原価計算が、個別原価計算です。

個別原価計算の特徴として出てくるのが、「製造指図書」です。

製造指図書は、注文を受けた時点で作成される作業の内容が指示された仕様書です。

個別原価計算は、各注文ごとに作成される製造指図書をもとに個別的に直接費および間接費を集計し、集計された原価が各製品原価となる計算方法です。

個別原価計算は受注ごとに原価を把握できるため、受注単位で損益がすぐに分かるという利点があって、今後の原価見積の基礎資料にすることができます。

ただ、受注ごとに原価を把握するため、多くの時間と費用がかかるという欠点もあります。

総合原価計算

総合原価計算は、同じ品目の一定期間の総製造原価を総生産量で割って、その製品の単位あたりの平均製造原価を算出する原価計算です。

同じ種類または異なる種類の製品を連続的に反復して生産する(連続生産)会社向けの算出方法です。

単純に大量に作った製品の数量でかかった費用を割って1つ当たりの原価を算出しようという方法です。

同じ製品の一つ当たりの原価は一期間ごとに1つのため計算が簡単なので、計算にかかる時間や費用が少なくて済むという利点があります。

ただし、「一定期間が終わるまで原価が把握できない」「一定期間内の原価の変動を把握しにくい」という欠点もあります。

総合原価計算は製造形態によっていくつかの種類に分かれます。

そのうちの4つについて見ていきたいと思います。

単純総合原価計算

その名の通り総合原価計算の中で最も単純な計算方法です。

同じ種類の製品を連続して生産する場合に適用される計算方法で、製造工程全体で発生した製造原価をもとに、完成品の製造原価を計算する方法です。

工程別総合原価計算

工程別総合原価計算は、製造する製品が2つ以上の製造工程で大量生産されるような会社で使われる総合原価計算です。

工程というのは、「切削部門」や「組立部門」のように一つの製品を作る際に異なる作業が必要となる場合にその作業内容ごとにステップを分けたものです。

第一工程で中間製品、第二工程で完成品を作るような化学工業や製紙業などで用いられることが多い計算方法です。

組別総合原価計算

組別総合原価計算は同じ工程や製造ラインで異種の製品を連続生産する場合に使われる計算方法です。

例えば木製品を連続生産している同じ製造ラインで、机と本棚という2つの異なる種類の製品を大量生産している場合に、学習机と本棚とではたとえ同じ製造ラインで製造していたとしても2つは明らかに別の商品であり、一個当たりの原価も異なりますので、それぞれ別々に原価を算定する必要があります。

このような場合に、机と本棚を「組」という単位に分け、木製品の製造ラインで発生する原価を各組に振り分け、組ごとに別々に原価を計算するのが組別総合原価計算です。

等級別総合原価計算

同じ種類の製品を製造するけれど、形状や大きさ、品質などで等級をつけて区分するような製品形態で適用される計算方法です。

等級別総合原価計算でよく例示として出るのがTシャツのLサイズ、Mサイズ、Sサイズなどです。

等級別総合原価計算をおこなうためには、等価係数の設定が必要になります。

等価係数とは、製品ごとにサイズや重さなどに基づいた原価負担の割合を表すものです。

例えばLサイズを1とするとMサイズが0.8でSサイズが0.6といったようなものです。

また、完成品数量に等価係数を掛けた出た数字を積数といいます。

等級別総合原価計算はこの積数によって、完成品総合原価を配分します。

まとめ

管理会計はその会社その会社に合わせてほしい情報を集めることを目的としていることから、原価計算の方法はたくさんあります。

その中から自分の会社にぴったりな原価計算方法を選んで原価管理を行うことが大切です。

自分の会社で作っている製品が一つ作るのにいくらかかっているのかを正しく把握できていなければ、経営をうまくやっていくことなんてできません。

いくらで売れば利益がどうなるのか、どの原価をどのくらい下げたら利益が大きくなるのか、何をするにしても精度の高い原価計算が必要です。

KUMA Partnersでは原価計算をよりしっかりとやりたいという方のお手伝いもしておりますので、お気軽にお問い合わせください。

最後までお読みいただきありがとうございました。

 

 

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