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内部統制の重要性

内部統制という言葉を聞いた時に公認会計士の監査が必要なJ-SOXを思い浮かべる方もいるかもしれませんが、ここで私が言いたいのは上場企業を対象としたJ-SOXではなく、中小企業内部の仕組みのことです。

 

・内部統制とは?

そもそも内部統制とは、簡単に言うと社内での業務に対して働くチェック機能のことです。例えば、営業が出張に行った旅費精算の領収書を営業部長がチェックして承認する。といった営業部長のチェックも内部統制であり、二人以上の人が所属する会社では、どの会社にでも一つや二つは内部統制が存在しているはずです。

 

・どこに重要性があるのか?

チェックは当然しているので改めて内部統制について意識する必要などないのではないかと思われてしまうかもしれませんが、内部統制において重要なのは、「効果的か否か」と「効率的か否か」という 2点です。

チェックをしていても、それがミスや不正をしっかりと発見できる仕組みになっているのか、また、チェックを厳重にしすぎることで業務の遅れにつながっていないかどうかを確認することが大切です。

 

・効果的な内部統制とは

内部統制はただチェックすればよいというものではありません。適切な知識と経験をもっていて、適切な判断が下せる人がチェックをしなければ効果的とは言えません。

例えば、製造業で完成した製品の品質チェックをするという内部統制があったとして、そのチェックの役割を担うのが、製造部長ではなく、経理部長であった場合には会社の組織上部長というチェックするには十分な役職ではありますが、製品知識が十分とは言えない場合が多いため、効果的な内部統制とは言えません。

 

・効率的な内部統制とは

内部統制は単に何度も何度もチェックすればいいというものではありません。業務の過度の遅れを引き起こさないように適切なタイミングでチェック機能を働かせることが内部統制には求められます。

例えば、先方から請求書が届いて仕訳計上を行う際に、請求書が届いた時点で「担当者→課長→部長」の順で回付し、請求書を基に仕訳計上を行った時点でまた「担当者→課長→部長」と回付していたのでは、業務に遅れが生じる可能性があります

 

・会社と従業員を守るために

中小企業でも発生する不正の中で従業員不正、特に横領に関しては、大部分が会社に非があると私は考えています。誰でも自由に開けられる引出しに会社の現金が入っていたり、経理部員が一人で会計処理と振込等の資金周りはその人に任せきりになっていたりなど、会社が適切な内部統制を整備していないことで従業員に不正を行う機会を与えてしまっているケースがあるかと思います。

従業員不正の起こる最初のきっかけは、つい魔が差してしまったということが多いと思います。ばれなかったので繰り返してしまい最終的には多額の横領につながった。その場合に従業員がつい魔が差してしまってもそれが実行できない、つまり、不正をしてもすぐに発覚することを従業員が分かっていれば不正をすることを考えた時点でどうせばれるからと踏みとどまれるはずです。

横領が起こると会社はお金を失い、損失を負いますし、従業員は逮捕されることとなり、だれも幸せにはなりません。大切な会社とそれを支える従業員の人生と家族を守るためにも経営者の方にはご自身の会社の内部統制について一度考えてみていただきたいと思います。

内部統制に絶対的な正解はありません。それぞれの会社の状態や環境によって様々ですので、見直した結果、最適なのか分からないという場合は私たちがお手伝いさせていただきますので、お問い合わせいただければと思います。

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