管理会計の代表格「原価計算」
原価計算は会社にとってとても重要な部分を占める管理項目です。
なぜ原価計算が会社にとって必要なのか?
それにはいろいろと理由はありますが、一番大きな理由は会社の利益を確保するためだと言われています。
例えば、向こう数年間の短期計画を立てるときに、2年後までに売上を10%増加することと、原価を10%低減することのどちらの方が利益が多くなるでしょうか?
答えは後者の原価を10%低減する方が高い利益を確保することができます。
年間の売上が100億円で利益率が5%の会社では、年間5億円の利益が出ることとなります。
これが売上が10%増加すると売上は110億円になり、利益は5億5,000万円になります。
一方で原価を10%低減すると、利率は15%となり、年間利益は15億円になるので、売上を10%増加するよりも遥かに高い利益を確保することができます。
もちろん実際の事業活動はこんなに単純なものではないので、理論通りに利益が出ることは少ないですが、原価を低減することで高い利益を確保できることは確かです。
今日は原価計算とはなにか?と原価計算がどのように活用できるのかを見ていこうと思います。
原価計算とは???
前回のブログで原価とはどういったものかを見ていきました。
原価計算とは会社が商品もしくはサービスをお客さんに提供するために発生する原価を、提供する商品やサービスに直接もしくは間接的に紐づけて、商品1つを作るのに・サービスを一回提供するのにいくらの原価がかかっているのかを集計することを言います。
原価計算の方法には、個別原価計算・総合原価計算、標準原価計算・直接原価計算等のやり方がありますので、それぞれの算定方法とその原価計算方法を採用するメリット等については、また次回以降で見ていきたいと思います。
原価計算の必要性
なぜ原価計算が必要なのか?最初に会社の利益確保のためと説明しましたが、もちろんそれだけではありません。
原価計算が必要な理由は他にもあります。
予算管理
原価計算をして、売上に対していくらの原価が発生するのかを把握できていなければ、正確な予算を編成するすることができません。
販売計画案、利益計画案を策定するためにも原価計算が必要不可欠です。
経営判断の材料
原価は経営意思決定に大きな影響を与えます。
すべての商品・サービスの原価を把握していることで、今後力を入れて販売すべき商品や、逆に撤退もしくは販売縮小をするべき商品が分かります。いわゆる「儲かる製品」と「儲からない製品」を把握するために欠かせません。
価格決定
集計した原価に会社として獲得したいと考える利益を加算した額が販売価格となります。
原価を把握してないまま適当に価格を決めてしまうと、商品が売れたとしても利益が出ません。
あるいは適正価格から大きく外れてしまい、商品が売れないという事態が起こる可能性もあります。
まとめ
つまり原価計算は、過去に発生したものを集計してきているだけのものではなく、正確な予算の策定や、適正な利益の確保につながる、いわば会社の命運を左右する大事なものです。
会社として継続的に成長を続けたいと考えているのであれば、絶対におろそかにしてはいけないのがこの原価計算です。
自社に合う原価計算の方法はどれなのか、これまでのブログと次回以降のブログが考えの一助となればと思います。
最後までお読みいただきありがとうございました。