モチベーションが沸く予算の組み方、運用の仕方について
予算とは、ある目的のために事前に計画したお金のことです。
お金を計画的に使うには予算が必要です。
その規模はまちまちで、国が立てる「国家予算」という大規模なものもあれば、反対に「飲み会の予算」のようにごく小規模のものもあります。
このブログでは会社に関する予算、つまり「経営における予算」をテーマに書きたいと思います。
経営における予算
経営における予算とは、会社が目標を達成するために、部門や店舗などに割り当てられたお金のことです。
予算を扱う上で大事なことは、限られたお金をどこに割り振って、それがどうやって使われたのか検証していくというプロセスをきっちりやること。
そしてこれは経営計画の根幹を担う仕事です。
予算を上手く管理していくことこそが経営だと言えるかもしれません。
さて、そんな予算を考える上では、これを『予算策定』と『予算管理』に分けて議論すべきです。
上述した、文章に当てはめるとわかりやすいでしょう。
限られたお金をどこに割り振って(予算策定)、それがどうやって使われたのか検証していく(予算管理)こと
それぞれについて、留意点などを含め詳しく見ていきたいと思います。
予算策定
PDCAで言うと、“P”の部分です。ひとつだけですが非常に大事です。
無尽蔵にお金があるなら、もしかすると予算は必要ないのかもしれません。
しかし、会社の経営資源(特にお金)は限られていますから、どこにどれだけ資源を使うか決めることは非常に大事なポイントとなります。
予算作成のおおまかな流れは以下の通りです
①経営戦略の決定
まずは会社に経営戦略があることが大前提です。
会社がどこに向かおうとしているのか。その方向性が決められていれば、これに沿うように予算方針を決めます。
②予算方針の周知
予算の方針が決まれば、これを主要メンバーに周知する必要があります。
主要メンバーとは、予算管理者や各部門の責任者です。
ここが非常に大事で、最初から部門の予算を決めてしまうのではなく方針だけ共有します。
実際に部門予算を策定するのは各部門責任者に委ねましょう。
③各部門にて予算の策定
各部門責任者は、自らが管轄する部門の予算を策定します。
こうすることで、予算に各部門の納得感が得られ、モチベーションアップや責任感醸成につながります。
④予算の調整
各部責任者が策定した予算を合算に、全社的な視点で予算を見直し、必要に応じて調整を行います。
その際、以下のようなポイントに留意します。
・経営戦略とズレていないか
・予算方針とズレていないか
・全社ベースで目標が達成できるか
“調整を行う”と簡単に書きましたが、経営幹部と各部門の思いがぶつかり合うところです。
会社によっては、かなり長い期間と労力を使っているところもありますが、
単に折り合いをつけるということですはなく、時間をかけて最適なポイントに落ち着けることが非常に重要です。
予算管理
PDCAで言うと、残る“DCA”の部分です。
それぞれに対応させて管理方法を見ていきましょう。
①進捗の管理
Do(実行)の管理。
年度が始まればどんどん事業は進んでいきます。
私見ですが、いざ始まってしまえば事業が進むことを最優先すべきです。
細かな支出に関しても承認手続が必要としているところもありますが、
あまり細かい口出しをすると、そちらに余計な気がとられて肝心の事業に集中出来ません。
予算の範囲内で各部門に裁量を与え、予算オーバーしそうな場合や特別な状況になった場合に本社の承認を求めるなどの管理がおすすめです。
②達成/未達成の管理
Check(評価)の管理。
年度が終わった後、予算が達成できたかどうか答え合わせた行われます。
進捗管理の際に裁量を与え、細かなことには口を出さなかった分、ここではしっかりと部門責任者に追及をすべきです。
ただし、単に達成した/しなかったで計るのではなく、
どの項目が良くてどの項目が悪かったのか(細分化)、それは何故か(深堀り)を明らかにしていく必要があります。
③目標設定の管理
Action(改善)の管理。
達成/未達成の管理において、きっちり振り返りができれば、それが次年度どうしていくべきかのヒントになります。
今年度の反省点は必ず次年度の目標・予算に反映させましょう。
そのためには、必然的にそうさせるような”仕組み”が必要です。
目標やKPIの設定の仕方自体を評価の対象にしたりするなどの工夫が考えられます。
まとめ
予算はまさに会社の舵取りです。
どのプロセスも非常に大事ですが、各部門や従業員のモチベーション管理は特に大事です。
策定プロセスや評価方法において、ここを上手く管理できるような仕組みを設計できれば、組織はより良く機能するでしょう。
KUMA Partnersでは予算策定・予算管理のお手伝いもさせて頂いております。
特に策定部分については強みがありますので、お気軽にご相談ください。
最後までお読みいただきありがとうございました。