属人化の功罪。解消のポイントを解説します!
最近色んな所で、「属人化」という言葉を聞きます。
“父親から事業を引き継いだんだけど、従業員の業務が属人化していて何やってるか見えない”
“人が辞めちゃったんだけど、属人化してるから他の人に引き続げない”
などなど、悩みのタネとして話を聞くことが多いです。
では、属人化とはなんなのか、なぜ起こるのか、どうやったら解消するのか、そもそも本当に悪いことなのか。
今回は、そんな属人化について掘り下げてみたいと思います。
属人化とは
広辞苑によると、
「属人」とは、人に属すること。
ハイ、全然わからないですね。
会社の業務に関する話ですので、換言すると、
業務が人に属してしまっていること
つまり、
業務がその人しかわからない状態になっていること
だと言えます。
“業務ありきの人” なハズが、
“人ありきの業務” になっちゃってるということですね。
属人化が起こる理由
なぜ業務の属人化は起こるのでしょうか。
人がいない
最も大きい理由はこれではないでしょうか。
人材不足。
人を雇う余裕がなく、気づけば同じ人が何十年と同じ業務を担当していた。
慌てて引継ぎをしようとしたものの、業務の中身がブラックボックスになっていた。
いろんな経営者にお聞きしている中で非常によくあるケースです。
難しい業務である
業務の難易度が高く、その人じゃなきゃできない業務もあります。
バックオフィスの場合はそれほど多くはないですが、
税金計算や海外対応など、特別な知識が必要とされる業務が該当します。
この場合気を付けなければいけないのが、
“本当に難しい業務なのか”
ということ。
誰にも相談することなく(できないまま)一人で業務をやり続けた結果、
業務が複雑になってしまったというケースも稀にあるので留意が必要です。
仕事をとられたくない
たまにしかないですが、あるとなかなか厄介です。
いわゆる“お局さん”と呼ばれる方々に散見されるケースです。
担当業務を敢えて属人化することで、自分の現在の地位や立場を守りたいという考えが根本にあります。
あとは、慣れたお馴染みの業務だけささっとやって帰りたいという思いもあるのでしょう。
古くからいらっしゃる方の場合が多いので、他の人もなかなか口出しもできず、社内の人間ではではなかなか改善ができません。
社外の人間がメスを入れるのが有効な場合もあります。
属人化解消のために
属人化を改善にはどうすればいいか考えてみましょう。
見える化
まずはいったい何をやっているのか、対象業務を見える化することが大事です。
このとき、“視覚的に”誰にでもわかりやすくすることがポイントです。
どんな資料を、どんなタイミングで、どういう情報をもとに作っているのか、
以下のような図で表現すると非常にわかりやすいです。
『フローチャート』と呼ばれるもののサンプル
標準化
いわゆる『マニュアル化』です。
冒頭で書いた通り、基本は“業務ありきの人”なハズです。
会社として、標準的な業務の『型』を決めておくことで、誰が担当しても同じ品質で業務が回ようになります。
マニュアル化の例としては、以下のようなものを作るとわかりやすいです。
『業務記述書』のサンプル
仕組みを変える
最後に、会社の仕組みで対応するという策もあります。
・強制的にジョブローテーションをする
・様々な業務を担当することが人事評価上有利になる制度を設ける
・従業員が自ら属人化を解消し、業務効率化を推進するためのインセンティブを導入する
など、ルールを変えることで従業員の意識を変えることもアイデアのひとつとして有効ではないでしょうか。
属人化は絶対的に悪なのか?
ここまで属人化はダメだという前提で進めてきましたが、そんなことはないと私は考えています。
属人化が有効に機能する場面もあります。
正確に言うと、そういう“職種”もあると考えています。
建築家やデザイナーなど、クリエイティブな仕事。
士業のように、高度な専門性と経験が必要な仕事。
営業という仕事もある意味クリエイティブで、属人化が高い成果を発揮する面があると思います。
もちろんこれらの職の中にも標準化した方がいい“タスク”はありますが、
無理に標準化せず、その人にしかできないこと仕事に力を発揮してもらう方が効果的な場合もあることは間違いないです。
まとめ
属人化には良い面、悪い面ありますが、
バックオフィスについては、これを解消することで業務が改善できるケースが非常に多いです。
クリエイティブさを発揮して、ものすっごい個性的なエクセルワークシートを作られても困りますからね。
KUMA Partners.,Ltd.ではバックオフィス業務を見える化、標準化するサポートもさせて頂いております。
お気軽にお問い合わせ下さい。
最後までお読み頂きありがとうございました。