取引先の「担当者個人」にプレゼントを渡すとどうなる?知っておくべき税金と労務のリスク

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こんにちは。KUMA Partnersです。

日頃お世話になっている取引先への贈答品(お中元、お歳暮、開店祝いなど)。
ビジネスを円滑に進めるうえで大切なコミュニケーションのひとつですよね。

送る側の企業としては「交際費」として処理するのが一般的ですが、実は「プレゼントを受け取った側の税金(課税関係)」について深く考えたことはありますでしょうか。

「会社同士ではなく、自社の案件をいつも優先してくれる取引先の『担当者個人』に感謝の品を贈りたい」といった場面で、安易に高額なプレゼントを渡してしまうと、相手方に予想外の税金トラブルや労務トラブルを引き起こしてしまう可能性があります。

今回は、取引先社員への贈答品にかかる税務の落とし穴と、トラブルを防ぐ実務上のマナーを分かりやすく解説します。

1. 原則:普通のお中元・お歳暮には税金はかかりません

まず前提として、会社やお世話になった個人へ贈る一般的なお歳暮、お中元、ご祝儀などについては、常識の範囲内(社会通念上相当な金額)であれば、受け取った側に税金がかかることはありません。

問題になるのは、「個人の働きに対する見返りや、特別な謝礼として高額な品物を贈るケース」です。

2. 「50万円までなら非課税」は大きな間違い!

「法人から個人へのプレゼントだから『一時所得』になって、50万円の特別控除があるから50万円以下なら税金はかからないのでは?」

そう考えている経営者さまや経理担当者さまは非常に多いのですが、実はここが最大の勘違いポイントです。

税務上のルール(所得税基本通達34-1)では、法人からの贈与は原則として「一時所得」とされていますが、「仕事(業務)に関して受けるもの」は除外すると明記されています。

つまり、取引先の担当者が仕事上の関係で受け取った贈答品は、一時所得ではなく「雑所得」に分類されます。

一時所得と雑所得の大きな違い

  • 一時所得の場合
    50万円の特別控除があるため、たとえば51万円相当の品物をもらっても、課税対象になる金額はわずか5,000円程度で済みます。
  • 雑所得の場合(仕事関連)
    50万円の控除はありません。会社員(給与所得者)の場合、年末調整を受けていても、給与以外の所得が年間20万円を超えると確定申告の義務が発生します。

例えば、取引先の担当者に年間21万円相当のプレゼントを渡した場合、相手は「21万円の雑所得」として自分で確定申告をし、所得税を納めなければならなくなってしまうのです。

3. 税務調査から「労務問題」に発展する怖さ

もし相手方が「確定申告が必要」と知らずに放置していた場合、税務調査などをきっかけに税務署から相手へ連絡が入ることになります。

さらに恐ろしいのは、税務署が確認のために取引先へ「反面調査」に入った場合です。

取引先の社長や上層部が「自社の社員が、特定の業者から個人で高額な贈答品を受け取っていた」という事実を知ることになり、社内規定(就業規則の収賄・裏金禁止規定など)に抵触して、相手の社員が懲戒処分などの労務トラブルに巻き込まれるリスクが生じます。

良かれと思って渡したプレゼントが、結果として相手の職での立場を危うくしてしまう可能性があるのです。

4. まとめ:トラブルを防ぐための実務ルール

取引先の担当者や社員の方へ贈答品を渡す際は、相手に迷惑をかけないためにも以下のルールを徹底することをおすすめします。

  • ルール①:相手個人への贈与は「年間20万円以内」におさめる
    相手が給与所得者であれば、給与以外の所得が年間20万円以下であれば原則として所得税の確定申告義務が生じません。相手方の税務調査リスクを避ける意味でも、これが最も安全なラインです。
  • ルール②:20万円を超える場合は事前通知か別の対応を検討する
    どうしても20万円を超える高額な品物を贈る場合は、「雑所得として確定申告が必要になる可能性がある」旨を事前に伝える必要があります。ただし、申告漏れや社内トラブルのリスクを考慮すると、個人宛てではなく「取引先会社宛て」にするか、金額を20万円以下に調整するのが現実的で賢明な対応です。

お世話になっている取引先だからこそ、税務や労務のリスクまで配慮した「スマートな贈り方」を心がけたいですね。
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