従業員を守る・育てる!人事制度入門編
人事制度でお困りの方は多いのではないでしょうか。
- 離職率が高い
- 従業員のモチベーションが上がらない
- キチンと評価してあげたいけど、どうしたらいいのか分からない
- スキルを体系的に身につけられない
などなど、悩みは尽きないと思います。
従業員のために人事制度を変えていこうと思っていらっしゃる皆様に役立てるよう、
人事制度の概要、超基礎的なところについて私が思うことを書いていきます。
人事制度の全体像
下図は人事制度の全体イメージです。
真ん中の6要素から構成されるのが、人事制度です。
ここで大事なポイントがあります。
人事制度を変えていこう!と思った場合、まず「どんな人事制度にしよう?」から考えると思いますが、まず固めとかないといけないのはピラミッドの下の部分、
つまり、「経営理念の策定・浸透」および「組織体制の整備」です。
土台となる部分です。
そして特に「経営理念の策定・浸透」が大事。
どんな人材を育てたいのか、どういう人材を評価していきたいのかという、会社の価値観(経営理念)を明確にしておく必要があります。
(経営理念についてはコチラを参照)
家を建てる場合に例えると、
- 家のコンセプトを決める=経営理念の策定
- 土地開発、区画整備=組織体制の整備
- 設計図を書く=どんな人事制度にするか決める
- 着工=人事制度整備プロジェクト開始
というイメージです。
そして土台がしっかり整ったら次はいよいよ人事制度の整備です。
人事制度は6要素で構成されますが、根幹となるのは以下の3つです。
- 等級制度
- 人事評価制度
- 賃金制度
他の要素ももちろん大事ですが、これら3要素をしっかりと固めたうえで次のステップに行くことをオススメします。
さて、本日はこの大事な3要素について、その概要を説明したいと思います。
等級制度
まずは、等級制度。
これは従業員の仕事レベル(能力、職務、役割など)を整理して、ランクをつけるための制度です。
組織運営上も非常に重要となる、人事制度の骨格と言える重要な制度となります。
会社にとっては従業員のモチベーションアップに貢献できるし、
ランクごとの給与の額を概ね決めることができるため、会計数値の将来予測などにも役立ちます。
また、従業員にとっては、目指すべきランクとその条件が明確になり、
モチベーションアップにつながるとともに、将来のキャリアパスが描きやすくなります。
つまり、等級制度は、会社、従業員双方にとってメリットがあるんです。
留意点としては、等級を“明確に”定める必要あるという点です。
曖昧なものであれば、適切に運用されず「絵に描いた餅」で終わってしまいます。
人事評価制度
続いて人事評価制度。
人事制度といえばコレというイメージが強いと思います。
ある一定期間における従業員の仕事ぶりを振り返り、その成果や取組み姿勢などをチェックするための制度です。
評価の結果次第で、等級・賃金が変わることも多いため、非常に重要な制度です。
なお、人事評価制度の目的は“査定”に目が行きがちですが、“人材育成”の側面がとても大事です。
会社の経営理念からブレない、理想的な人材を育てるにはどんな評価をすればいいのか、
慎重に練っていく必要があります。
また、制度導入の際、従業員に対しては人材育成の方を強調するというのもポイントです。
査定される制度と言われると気分良くはないですからね。
賃金制度
最後は賃金制度です。
会社への従業員の貢献を、等級ごとに評価し、それを給与や賞与という形で従業員へ還元する制度です。
給与が高ければ従業員の定着率はあがりますし、もちろん採用上も有利です。
ただ、無限に給与が払えれば一番いいのですが、実際は資源に限界があります。
限りある人件費を適切に分配するため、何に対して賃金を払うのかを明確にする必要があります。
どういう人材になれば給与が上がるのか、従業員がしっかりと理解し、
能動的に動けるようになるパワーの源泉のひとつとして賃金制度をうまく活用しましょう。
まとめ
人事制度は悩まれている方が多い分、その導入方法が非常に大事になってきます。
制度である以上、誰かが得をして、誰かが損をするということはある程度は不可避になってきます。
ただ、明確なコンセプトがあり、それをきちんと説明できれば納得感のある制度が出来上がるのではないでしょうか。
また、新しい制度を導入したいけど、自社以外にそんな制度を導入しているのかわからないという悩みもあると思います。
そんなときは本で勉強したり、外部の誰かに頼ってみましょう。
KUMA Partnersでは、人事制度導入のお手伝いもさせていただいております。
他社事例もたくさん知っておりますので、お気軽にお問い合わせください。
最後までお読みいただきありがとうございました。