株式上場を目指す!まずはフィールドの理解から。

コラム

前に上場とは、というテーマでその全体像について書きました。

今回から各論に入っていきたいと思います。

まずはじめに、“フィールドを知る”ということで、

上場のフィールドとなる株式市場について勉強していきたいと思います。

 

株式市場について

上場とは、自社の株式を一般に公開して、不特定多数の人が売り買いできるようにすることです。

株式市場は、その売り買いをする場所のこと。まさに、市場(いちば)です。

そしてこの市場には色々と種類があります。

メルカリやラクマを想像してもらえれば良いです。

 

ただし、どこでも自由に自社の株式を売り出せる(出品できる)訳ではありません。

メルカリにはメルカリの、ラクマにはラクマの審査基準があり、これをクリアしなければその市場に出品することはできないんです。

 

そんな市場の種類と審査の基準などについて詳しくみていきましょう。

 

東京証券取引所

最も代表的な市場が東京証券取引所、通称「東証」です。

売買高や時価総額で見ても、国内市場の99%を占めます。

よって、

「株式市場≒東証」と考えて差し支えないでしょう。

 

世界三大証券市場の一つ(他2つはニューヨーク、ロンドン)でもあり、

日本だけじゃなく世界を代表する市場です。

 

そんな東証について掘り下げていきたいと思います。

 

東証の中には、以下の4つの市場があります。

  • 東証一部
  • 東証二部
  • マザーズ
  • ジャスダック

 

それぞれ見ていきましょう。

 

東証一部

まず、東証は「本則市場」とそれ以外に分かれます。

本則市場っていうのは、ざっくりメインとなる市場のコトです

 

この本則市場にあたるのが、東証一部/二部です。

 

メイン市場だけあって、有名な企業の株が取引されています。

中でも東証一部は、ソニー、トヨタ、任天堂など、誰もが知る“超“有名企業が上場しています。

 

経営者なら目指したい憧れの市場ですよね。

ただそしてその分審査のハードルが高いです。

 

例えば、以下のような基準を満たす必要があります。

・株主数2,200人以上

・流通株式数2万単位以上

・時価総額250億円以上(新規の場合) など

 

他にも細かな要件がたくさんありますが、

いずれにしてもかなり厳しい要件ですよね。

 

東証二部

続いて東証二部です。

こちらも東芝や帝国ホテルなど、有名企業が上場していますが、

東証一部に比べると審査のハードルが下がります。

・株主数800人以上

・流通株式数4,000単位以上

・時価総額20億円以上(新規の場合) など

 

ちなみに、東証一部に上場していたとしても、ある条件に引っかかってしまうと降格もあり得ます。

例にも挙げた東芝は、一時期ニュースを騒がせた事件で巨額損失を計上し、

債務超過になったため東証一部から二部へ降格になりました。

 

ただ、道のりは険しいですが、頑張ってまた審査を通れば一部へ復帰することは可能です。

 

マザーズ

残るマザーズとJASDAQは、東証の中でも新興市場と言われており、比較的若い会社担当の市場です。

中でもマザーズは、ベンチャー企業が多く、東証一部/二部への上場を目指している場合が多い印象です。

 

ミクシィやメルカリなど、勢いありそうな感じがしますよね!

 

審査の条件は以下の通りです。

・株主数200人以上

・流通株式数2,000単位以上

・時価総額10億円以上(新規の場合) など

 

だいたい数値基準は東証二部の半分くらいのイメージですね。

 

JASDAQ

JASDAQもベンチャー企業向けの市場ではあるんですが、

歴史的な背景もあり、実際は新興企業と老舗企業が混在しています。

 

そのため、同じJASDAQの中でも老舗企業中心の「スタンダード」と、新興企業中心の「グロース」に分かれます。

 

スタンダードの審査基準は以下の通りです。

・株主数200人以上

・純資産2億円以上

・利益1億円以上 など

グロースはこのうち利益要件などがないため、赤字企業でも成長可能性があれば上場できるようになっています。

 

地方の証券取引所

株式市場はほとんどが東証だとは言いましたが、地方にもあります。

 

次の3つの取引所があります。

・名古屋証券取引所

・札幌証券取引所

・福岡証券取引所

 

昔は大阪にもあったんですが、今はデリバティブ市場となっており、株の取引はされていません。

 

東証ほど多くはありませんが、地方市場には、その地にゆかりのある企業などが上場しています。

 

まとめ

東証の審査基準を簡単にまとめると以下の通りです。

 

東証一部東証二部マザーズJASDAQ
スタンダード
JASDAQ
グロース
株主数2,200人800人200人200人200人
流通株式数2万単位4,000単位2,000単位
時価総額250億円20億円10億円
純資産10億円10億円2億円赤字でない
利益2年で5億2年で5億1億

 

やっぱり東証一部への上場に憧れますが、

いきなり東証一部に新規上場というのは珍しいパターンです。

JASDAQやマザーズから初めて徐々にステップアップしていくのが現実的でしょう。

 

いずれにしても立つべきフィールドを理解することはすごく大切です。

戦略的に上場を目指しましょう。

 

次回からは、上場を目指すために具体的にやるべきことを整理していきたいと思います。

 

お楽しみに。

 

最後までお読みいただきありがとうございました。