CVP分析を始めよう!!
以前利益管理が大切ですよというお話をしました。
利益管理の最初のステップとして今日はCVP分析について見ていきたいと思います。
CVP分析とは
CVP分析とは、Cost Volume Profit Analysisを略したもので、「コスト(Cost)」「販売量(Volume)」「利益(Profit)」それぞれの頭文字を取った、会計用語の一つです。
日本語では「損益分岐点分析」といわれ、管理会計上の分析手法の一つとして広く使われています。
会社が今後も継続的に活動を行い、利益を生み出していくためには、製品の販売やサービスの提供にかかった費用よりも売上を大きくしていかないといけません。
その費用と売上が同じ金額になって、収支がとんとんになったところを「損益分岐点」といいます。
会社として利益はないけど損もしていないというポイントであり、そこを越えて製品の販売やサービスの提供をすることで利益が上がっていくポイントでもあります。
つまり、損益分岐点を売上が上回ることができれば利益になり、逆に損益分岐点を売上が下回ってしまうと損失になり会社は赤字になります。
損益分岐点を計算するには売上から引く費用を固定費と変動費に区分する必要があります。
固定費と変動費は以前こちらのブログで紹介しましたが、簡単に言うと固定費が生産量や販売量に関係なく一定で発生する費用で、変動費が生産量や販売量に比例して増減する費用です。
損益分岐点を使って行うCVP分析は、会社の売上やかかる費用に関する目標設定を行う上でとても有効な方法です。
基本的には「利益=費用」となる売上、つまり会社がギリギリ赤字にならないために必要な最低限の売上を計算することが目的ですが、その他にも、会社が出したいなと思っている一定の利益を稼ぎ出すためには、最低どれだけの売上が必要なのかを計算することができるなど事業計画を立てる上でもとても大切な分析です。
CVP分析はなぜ必要なのか?
CVP分析は新規事業の立ち上げや新製品販売の際に特に有効だと言われています。
現状の事業がうまくいっていて利益が出ているからといって、勢いだけで、計画もなく新規事業を開始してしまうと、その新規事業が不調になった影響で従来行っていた事業が傾いてしまう可能性があります。
そうなると、会社全体が傾き、事業縮小や最悪の場合倒産してしまうということになりかねません。
そこでCVP分析をして損益分岐点を知ることで、どのくらいの単価で最低どれくらいの数の製品を販売すれば利益が出るのかを計算し、その妥当性を検討して計画的に新規事業を開始することができます。
新規事業だけでなく、従来行っている事業においてもCVP分析を活用することはできます。
CVP分析を実施することで、会社全体ではなく製品別のコスト構造を把握することができて、現状抱えている原価管理の問題などのリスクを把握することができます。
とても手間はかかりますが、新規事業ではなくても月次で損益分岐点を算出することが理想的だといわれています。
原価はその時その時で変動するものなので、毎月の収入と支出を正確に把握して、損益分岐点を継続的に算出しておくことは安定した会社経営を行うためには欠かせないものです。
まとめ
CVP分析は製品別、部門別など様々なくくりの単位で行うことができるので、新規事業の立ち上げだけでなく、明らかな不採算部門や製品を把握することができるため、変動費と固定費の分解はおおまかでもいいので、とりあえずやってみることが大切かなと思います。
会社が継続していけるように、新規に立ち上げようとしている事業や製品がうまくいくのかどうかのシュミレーションをする際にも必要なものなので、ぜひ一度CVP分析をやってみてください!
最後までお読みいただきありがとうございました。