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どう違う?『ボーナス』と『寸志』の意味と発生する税金

12月は一般的に冬のボーナスの時期です。
ボーナスとは、固定給とは別に会社が従業員に支給する給与のことです。
一方で、さまざまな事情から、ボーナスではなく、従業員に寸志を支払う会社も少なくありません。
寸志とは、給与とは別に支払われる、ボーナスほどではない額の一時金のことです。
寸志を支給する場合、会計上はどのように処理すればいいのでしょうか。
ボーナスと寸志の違いや、用いる勘定科目などについて説明します。

どちらも法律上の支給義務はない

ボーナスは「賞与」や「特別手当」、「報奨金」などとも呼ばれますが、通常の給与とは別に支払われる給与という意味では、すべて同一のものです。
ボーナスは、夏と冬の年に2回支給するのが一般的とされています。
他社が従業員にボーナスとして支給している金額については、経営者であれば誰もが気になるところでしょう。

厚生労働省が公表する2023年2月分の『勤労統計調査』によれば、賞与支給のある従業員が5人以上の事業所では、2022年の冬のボーナスは平均で39万2,975円でした。
一方で、大企業ではボーナスの額も大きく異なります。
厚生労働省が公表した『令和4年民間主要企業年末一時金妥結状況』によれば、資本金10億円以上かつ従業員1,000人以上で、さらに労働組合のある企業367社における冬のボーナスは、1人平均で84万2,978円でした。

企業の規模によって額はさまざまですが、基本的にはこのように企業規模が大きいほうがボーナスの額も大きくなる傾向にあります。
したがって、従業員の少ない小規模企業者のなかには、はじめからボーナスの支給制度を設けないと決めているところもあります。
ボーナスは法律上の支払い義務はなく会社が自主的に支給しているものなので、ボーナスの支給制度がなかったとしても法的な問題はありません。
しかし、支払いが義務づけられているものではないとはいえ、ボーナスが出ないことで従業員のモチベーションが下がったり、求人の際に不利になったりといったデメリットがあります。

そこで、小規模企業者でも、ボーナスのように寸志の支給をする会社もあります。
寸志とは、「少しばかりの贈り物」を意味する言葉で、ほんのわずかな気持ちとして、だいたい数万円~10万円ほどの額を支給する際に使われます。

会社支給の寸志の処理

会社がボーナスを支給する場合は、「賞与」の勘定科目で会計処理を行い、通常の給与と同じように、源泉所得税や保険料などを「預り金」として差し引いて支払うことになります。
一方、寸志も会社から一時金として支給する場合は、ボーナスと同じく「賞与」として会計処理を行います。
源泉所得税や保険料などの取り扱いも同じなので、税務会計上はボーナスも寸志も、金額や名称が異なるだけで、同一のものだといえます。

また、特別手当、報奨金、金一封、臨時金などの名前がついていても、会社が給与とは別に支給するものであれば「賞与」として処理することになります。
ただし、役員に対してボーナスなどを支給する場合は、「賞与」ではなく、「役員賞与」という勘定科目を使います。
役員に対する賞与は一般の従業員に対するものとは異なり、法人税の計算上損金不算入となるからです。

寸志は、賞与査定のない入社したばかりの新入社員に支給するケースがあります。
会社として支給する場合は、必ず会計処理が必要になることを理解し、あらかじめ確認してから支給するようにしましょう。

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